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【歯周治療のラーニングステージ】自分のスキルをどうやって上げていくか

歯周外科のスキル

この記事は若手歯科医師に向けて書かれた記事です。

 

注意

このブログの内容は客観的事実に基づき執筆しておりますが、特定の医療行為、手技、手法を推奨するものではありません。

残念ながら医療行為に100%の成功はあり得ません。時に患者様の不利益に繋がることもあります。しかしその可能性を極力低くするための努力はできます。

論文などからの知識のアップデート、長期経過からのフィードバックを得て、患者利益の最大化に努めるべきです。その一助としてこのサイトを活用していただければと思います。

なお、全ての臨床写真は患者様の掲載許可をいただいた上で掲載を行なっております。

 

 

 

✔︎ 本記事の信頼性

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一般的な診療所に勤めているとなかなか上げにくいスキルの一つに歯周外科があると思います。残存歯の増加とともに、歯周外科が必要とされる場面は今後も増えていくことが予想されます。

今回の記事ではどのようにそのスキルを上げていけば良いか考えていきます。

 

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【どういう順番で進めていくか】

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【処置の難易度】SRPからGBRまで

歯周治療の必須のスキルから、アドバンスな内容を順番に並べていくと、

 

SRPオープンフラップ APF →CTG, FGG → 再生療法 →インプラント(GBR, サイナスリフト )

 

になると思います。基本的にこれらの順番を守って、自分のスキルアップをしていくことになると思います。

 

患者さんに必要とされる場面も基本的にこの順番となることが多いので、ベーシックなところをしっかりとできるようになってから次のステージに進むことが必須となります。

 

【何件くらい経験したら次に行って良い?】埋伏歯抜歯、オープンフラップから始めよう。

歯周外科の全ては切開と縫合で終わります。

 

その間にデブライメントが入るのか、CTGなのか、骨補填剤なのか。で、その手術の種類が変わっていきます。

 

よって、切って、縫うということができないとダメで、ステージが上がるほどに、そのクオリティが要求されます。

 

歯周外科のうち、切除療法などの引く手術は、ある程度切開や縫合が甘かったとしても体が治してくれるので、初心者が行うにはここらから始めるのが良いでしょう。

 

下歯槽管をはじめとする神経の走行に注意して行う必要はありますが、下顎の埋伏抜歯についても同様です。

 

埋伏智歯の抜歯の際は7の遠心面という非常に難しい部分のSRPも行えますので、どれくらい綺麗にできるか同時にチャレンジしましょう。

 

個人的な意見になるのですが、APFの前に智歯抜歯5件, オープンフラップ5件の計10件程度の経験があった方がいいと思っています。

 

基本的な切開剥離、器具の操作や、時間配分などのマネージメントのためにある程度の経験を積む必要があると思います。

 

【患者さんの不利益になってはダメ】先輩ドクターなどの協力下のもとで施術を行おう。

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初めての外科をやる際は万が一に備えて、必ず先輩ドクターや勤務先の院長などに見てもらいながらやるようにしましょう。

 

思いがけないミスや、予想しない事態などが起こった際に経験豊富なドクターがいると安心です。

 

また術後の振り返りをする意味でも、どこに改善点があったかなどのフィードバックをもらう意味でも自分より経験のある先生のもとで行うのは意味があると考えます。

 

外科を行う理由はあくまで患者さん利益のためなので、自分の処置によって患者さんが不利益を被ることはあってはなりません。

 

また自分の経験のために不必要な処置を行うことも絶対にあってはなりません。

 

 

 

【自分の経験談】初めてのAPF症例など

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僕の場合は、日常臨床での初期治療でSRPのやり方はある程度学んでいきました。

 

1軒目で勤務していたところでは全く外科をやったことがなかったため、2軒目の医院で初めて埋伏抜歯を経験しました。歯科医師歴4年目に差し掛かる頃にようやくです。

 

外科をやり始めるのはかなり遅い方だと思いますが、その後は埋伏抜歯やオープンフラップデブライドメントを計15件くらい経験させてもらい、ようやく右下7のクラウンレングスニングをさせてもらえることになりました。

 

どんな経歴かはこちらを参考にしてください

once-upon-a-time
【どうやって選ぶ?(前半)】研修医先の選択について

続きを見る

stairs-carrier
【どうやって選ぶ?(後半)】研修医終わりの勤務先選びについて

続きを見る

 

 

【初APF】めちゃくちゃ時間がかかって申し訳なかったです。

満を辞してようやくAPFをやらせていただく機会を得ました。症例は右下7のジルコニアクラウンのためのクラウンレングスニングです。

 

遠心部分のフェルール確保のためです。

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術前の様子

 

初めてのオペだったので、切開線や術中のシミュレーションなども入念に行った上でオペに臨みました。

 

今となってはどこで時間がかかったのかもわからないのですが、来ていただいてからお帰りになるまでで4時間もかかってしまいました。

 

本当に大変な思いをさせてしまったと思います。

 

after-ope

遠心には十分なフェルールをとることができました。

 

今現在であればもっと時間的にも質的にも良いオペができると思いますし、補綴に関してもオーバーレイなどを選択して、ここまで削らないという選択をしていたかもしれません。形成も唇側の2〜3面目のリダクションが足りてないですね。

 

結果的に患者さんには満足して頂き、最低限の結果は出したと思っていますが、本当に多くの反省点が見つかりました。

 

その後のラーニングステージ

その後臼歯部を中心にAPFを20ケース程度させて頂き、次に歯槽堤増大としてのCTGを行いました。根面被覆や前歯部のバイオタイプ改善のためのCTGなどをさせて頂き、現在までで再生療法を数ケース、サイナス、GBRを数ケース経験させてもらっている。といったところです。

 

やはり再生療法やGBR時の縫合は創面と創面をぴったり合わせなくてはならないので、その勘所を掴むのに苦労しました。

 

まだまだ自信を持ってマネージメントできる状態ではないのですが、日々先輩ドクターや院長などから技術を学んでいる日々です。

 

 

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【やらなきゃわかんない】身の丈にあったチャレンジを

 

僕は歯周外科をやり始めたのは同期たちと比較すると遅い方だったと思いますが、今ではある程度のことはマネージメントできるようになってきたと思います。まだまだ甘いですけど。

 

最初にやったケースは、抜糸に来ていただく日にうまくいっているかなって、本当に本当に不安だったことを鮮明に覚えています。

 

今でも初めてやるときはそれくらい不安になるし、ましてや初めてのオペをやるときなんかは、直前に”やらなきゃよかった”なんて思うことすらあります。

 

でもやっぱりやらなきゃうまくならないです。

 

十分に患者さんとのコミュニケーションをとり、それ以上に出来うる全ての準備をし、その上でチャレンジすることは成長するために必要なことです。

 

初めての再生療法をさせてもらうときは模型の印象をとって、それに即時重合レジンを流し込んで、それに骨欠損を作り、その上に接着剤を塗ってシリコーン印象材で歯肉を作って、その模型をユニットの上に固定して模擬オペの練習をしたりしました。

 

オペシミュレーション

その時に作成した模型

 

これだけ準備しててもやっぱり実際はシミュレーションと違うことも多かったし、反省点も多く見つかりました。でもそこから多くのことを学び、次に生かすことはできています。

 

いきなり大きなことをできるようにはならなくって、一つ一つ成長していくしかありません。若いうちは派手な症例をやってみたくなるものですが、一歩一歩前に進んでいきましょう。

 

チャレンジし、そこから学び、そういうことを継続していくことで、今まで自分じゃできないと思っていたことも段々とできるようになっていきます。

 

繰り返しになりますが、患者さんに不利益を与えることは絶対にダメなので、そういった配慮は絶対に忘れないでください。

 

よりより歯科医療を提供するために、精一杯の努力をし、チャレンジしていきましょう。

 

 

今日も最後までお読み頂きありがとうございます。

  • この記事を書いた人

Dr.H

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