この記事は若手歯科医師に向けて書かれた記事です。
注意
このブログの内容は客観的事実に基づき執筆しておりますが、特定の医療行為、手技、手法を推奨するものではありません。
残念ながら医療行為に100%の成功はあり得ません。時に患者様の不利益に繋がることもあります。しかしその可能性を極力低くするための努力はできます。
論文などからの知識のアップデート、長期経過からのフィードバックを得て、患者利益の最大化に努めるべきです。その一助としてこのサイトを活用していただければと思います。
なお、全ての臨床写真は患者様の掲載許可をいただいた上で掲載を行なっております。
✔︎ 本記事の信頼性
自分のキャリアをどう築いていくか
今日はいつもと趣を変え、自分自身のこれまでを振り返り、どう歯科医師として成長していくべきか。そう言った内容について書いていこうと思います。
自分はまだまだ成長過程にある身なので、大層なことはお伝えできないのですが、自分でもこれまでのことをしっかり振り返って、これからにつなげ、これからの歯科人生を歩む歯学部生などの参考に少しでもなればいいなと思っています。
後半では研修医後から現在までを振り返っています。
【どうやって選ぶ?(後半)】研修医終わりの勤務先選びについて
続きを見る
自身の研修医先選択について
結果から言うと僕は臨床研修医のプログラムは卒業大学に一年間ずっといるやつを選択しました。半分の期間を外部の施設に行くとか、そういうのでは無く、一年間ずーっと大学内にいるやつです。
本当は研修医の間は、三次医療機関の外科系のところにいきたいと思っていたんですが、希望していた施設の面接日程がオールデンタルの決勝と重なってしまい、デンタルに出ることを優先したので、次点での候補としていたこのプログラムになりました。
その当時外科に行きたいと思っていたのは、有病者歯科とか、救急みたいなものを若いうちに経験しておいた方がいいかなと思ったからです。将来的に外科的な方向に進みたいとかでは無く、単純に後から勉強するのが大変だろうから、今のうちに学んでおいた方がいいかな。という理由です。
なので、漠然と一次医療機関では無く、二次とか三次みたいな大きめなところがいいなとか考えていました。でもそんなどうしてもいきたいとかではなかったのでしょう。一次医療機関自体の面接もそこ一件しか申し込みませんでした。
次点で大きく分けると、①卒業大学内に一年間か、②半分半分になっているやつか、③外部(一次医療機関)、④他大学のプログラムっていうところになると思うんですが、この中の選択はもう迷うことなく、①の卒業大学に一年間を選択しました。
【その当時思っていたこと】なぜ卒業大学に一年残ったのか
一番のメリットは、その当時各科に仲良くさせてもらっている先生がたくさんいたので、何かわからないことがあればすぐに相談できること。と考えていました。外部施設(大学)に行った場合、なかなかそう言った気兼ねなく話をできる先生を見つけるのは難しい、もしくは時間がかかるんじゃないかなと思っていました。
外部の個人施設の場合は、歯科医師もひよこと同じで、最初に見たものを真似てしまうというのを聞いていたので、その研修先の先生の良し悪しもわからないままにそのやり方を受け入れるしかないというのはかなりリスクが高いなと思っていました。
もちろん特定の先生のもとで学びたいっていうはっきりしたものを持って、そこを選んでいた人もいたので、そういうのがある人は羨ましいなとも思ってましたね。
消去法的な選択になるのかもしれませんが、三次医療機関であり、各科が分業でやっているので、少なくとも大学の先生は適当な治療をやったりはしないよなって考えてました。
以上の理由からその当時の僕は卒業大学に一年間残るという選択肢を選びました。
【今思うこと】卒業大学に一年残ったメリットとデメリット
入る前に思っていた通り、自分がどこの科にも属してない研修医という立場を利用して、色んな科に出入りして、色んな先生の臨床を間近で見れたっていうのは非常に良かったと思います。
自分の拙い臨床に関するフィードバックもすぐに得ることができましたし、開業されている先生より比較的時間に余裕のある大学の先生だからできたことだったかなと思います。
それから臨床のことだけでなく、裏の作業ができたことも今につながっています。これは別に研修医の時でも外注できたんですが、ワックスアップして鋳造するとか、個人トレーとか、義歯の排列とか自分でやっていたので、その辺の経験ができたのは良かったです。
技工室があって技工士さんが常勤でいる歯科医院ってなかなかないと思うんで、これも大きなメリットだったかなと思います。
年齢を重ねれば重ねるほど、やらないといけない仕事が多くなってくるので、新たなことを始める際に、そのスタートの障壁はどんどん高くなっていくと感じています。
当初勉強しないとと思っていた全身疾患に関することだってそうです。いまだに深く勉強できていません。
なので若いうちに、それが完璧で無くていいので、0→1を作っていくことは結構重要なことだと思います。1をやっていればそれを積み上げていこうとしたときに、心理的なハードルはかなり低くなります。
おそらくですけど、大学では個人診療所で研修を受けるより勤務時間内であっても、自分のために使える時間があると思うし、何かを勉強したいと思った時の人的、設備的なリソースは確実にあるので、広く色んなことを学ぶのに大学という研修場所はかなりおすすめです。
一方デメリットですが、上記にも書いた通り、ここまで10年弱歯科医療に携わってきて、結局しっかりと全身疾患のことを勉強できていないので、やっぱり最初にしっかり勉強しておいてもよかったなとはたまに思ったりします。
こればっかりは教科書的な知識だけ得ようと思っても、基本興味を持てない分野だし、自らの意志で勉強するということができませんでした。
半ば強制的にそういうことが学べるところで、一通りその分野について学び、体感するっていうのも良かったかもしれません。
それから卒業した場所にそのまま通うので、社会人的な自覚を得るのが遅くなりがちです。もう時効だと思うから書きますけど、患者さんがいないときなんかはバレないように大幅に遅刻したり、結構無茶苦茶なことやってました。
今振り返って考えられるデメリットはそれくらいですね。もちろん自分は大学で一年間やっただけなので比較検討はできませんし、かなりバイアスかかってるんですけど、今考えても大学で研修医をしたことは非常に良かったと思っています。
【まとめ】しっかり考えて、今一番いいと思える場所を選択しよう(当たり前だけど笑)
僕はその当時絶対にこれがやりたいんだっていうのもなかったですし、研修医施設になっているすごい先生と知り合いとかっていうこともなかったので、大学を選びました。
逆にいうと、明確な歯科医師像があったり、そういう知り合いがいるのであれば、そう行った選択肢も全然ありだと思います。
ただ、基本的に外部の個人施設で一年間のところっていうのは、2年目以降の就職を前提に考えているところがほとんどだと思うので、なんのつてもなくそういう医院を選ぶときは慎重になっていただきたいです。
長々と書いてきましたけど、言ったらただの一年間の話なので、長い歯科医師人生において及ぼす影響っていうのは微々たるものかもしれません。
ただ、その先を見据える上で結構重要な選択になるとも思っているので、しっかり考えて選択したことは重要なことだったと思います。
学ぶ環境によって得られるものは確実に違いますけど、何より重要なことは自分が与えられた環境の中でどう成長しようとするかだと思います。
環境を生かすも殺すも自分次第なので、後悔のない選択をし、その環境の中で全力で学んでいければ、その場所はどこだっていいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。