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【もう一度学ぼう】歯牙それぞれの解剖学的特徴:上顎大臼歯編

 

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✔︎ 本記事の信頼性

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前回の記事に続き、今回は上顎大臼歯編になります。

 

小臼歯編はこちら

【もう一度学ぼう】歯牙それぞれの解剖学的特徴:小臼歯編

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下顎大臼歯編はこちら

【もう一度学ぼう】歯牙それぞれの解剖学的特徴:下顎大臼歯編

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【この一本を抑えておけばOK】上顎第一大臼歯の特徴

 

上顎の大臼歯は第一大臼歯を基本形とし、それから後方に行くにつれて退化傾向が進んでいくという特徴があります。

 

なので基本的には第一第臼歯の形態を抑えておけばOKです。

 

上顎右側第一大臼歯

 

【側方から見たところ】

頬側面から見たときに両頬側咬頭はほぼ同じ形をしていますが、高さは必ず近心のものが遠心をわずかに凌いでいます。(図1.B)

 

両咬頭間には著名な分界溝があり、咬合面から続いてきて頬側面の高さの半分にまで達しています

 

舌側面は頬側面とほとんど同形ですがこれよりも少し小さく、またその膨隆度が強く、輪郭や浮彫像もよほど円みをおびています。

 

2つの咬頭は舌側面溝によって二分されているが、近心咬頭の方が遠心咬頭よりも遙かに大きいため、溝は舌側面の正中線よりはよほど遠心側に偏っています。(図1.L)

 

舌側面溝は一般に頬側面溝よりも深くかつ鮮明で、その先端が第一大臼歯にあっては長く伸びてしばしば歯頸線にまで達し、舌側根の溝にまで続いている ことがあります。(図1.L)

 

これは第一大臼歯の特徴であって、第二大臼歯以下にはほとんど見あたりません。このことは第一大臼歯と他の大臼歯との間の重要な鑑別の特徴になります。

 

歯冠の近心面はほぼ長方形であって、その幅は頬側面や舌側面よりも大きいです。 なかでもその歯頸線の長さは頬側の2倍程度もあります。

 

頬側面や舌側面では歯頸部がくびれていますが、近心面では幅の最も大きいところが歯頸部の近くにあります。(図1.黄色矢印)

 

頬側の輪郭は比較的直線的で、歯頸部から咬合縁に向かってほぼ鉛直またはきわめてわずかに舌側に傾いて走っています。(図1.M, D)

 

咬合面から見たところ

 

図2. 上顎右側第一大臼歯の咬合面観

 

咬合面はほぼ菱形をしています。

 

近心辺と遠心辺はともに頬側から舌側に向かって遠心の方へ斜走しているので、菱形の鋭角は近心頬側隅角と遠心舌側隅角にあたります。(図2参照)

 

咬合面の主要な溝は、頬側を上にして多少模型的に考えると、その上方が斜め遠心に向くH形を示しています。

 

学者さんによって多少の名称が変わるようなのですが、Hの横棒に相当する溝を中心溝(図2黄色線)とし、これに対してHの両脚をそれぞれ近心頬側溝(図2紫線)および遠心舌側溝(図2緑線)とします。

 

これらの溝によって隔てられ、近心舌側咬頭 と遠心頬側咬頭は中心溝を境として相接していますが、近心頬側咬頭と遠心舌側咬頭は遠く相隔てられています。

 

遠心頬側咬頭の中心隆線と近心舌側咬頭の遠心副隆線とは屋根状につづき、対角隆線または斜走隆線を形成しています。(図2.青い部分)

 

 

【最後に】上顎大臼歯の形態の推移

 

続いて、上顎第一大臼歯の形態を基本形として、後方に行くにつれてどのように変化していくかを見ていきます。

 

これはあまり知らなかったことなんですが、遠心に向かうにつれて、ある程度規則性を持った変化をしていきます。

図3:上顎大臼歯の形態変化

 

大きさは後方歯ほど小さくなっていきます

②歯冠は後方のものほど強く近遠心的に圧平されています。(第二大臼歯の咬合面形態は頬舌径にほとんど差はないが、近遠心径は必ず減少する。)

咬頭が退化する。:この咬頭の退化現象はまず舌側遠心咬頭に現れてきます。徐々に小さくなっていき、最終的には消失してしまいます。

歯根は後方の歯ほど融合する傾向が強い。:すなわち頬側の両根間の角度も次第に小さくなってきます。

⑤歯を全体として観察すると、その長軸に対する歯冠の傾斜が後方の歯ほど大きくなっています。(図3)

⑥歯冠の咬合面の浮彫像は第二大臼歯、第三大臼歯へと次第に単調化すると同時に、各咬頭を境する溝は浅くなり、咬頭は低くなり、輪郭が円みを帯びてきます。

⑦また頬側咬頭と舌側咬頭とはその尖端が互いに接近する傾向があるため、歯冠を隣接面から見たときの頬側および舌側の輪郭線は後方の歯ほど咬合面の近くで強く集合しています。

⑧第一大臼歯では歯頸部が引き締 まった状態で、近心隣接面に向かって近心頬側咬頭が強く押し出された観を呈します。

 

以上が上顎大臼歯の形態的な特徴になります!!

 

今日も最後までお読みいただきありがとうございます。

  • この記事を書いた人

Dr.H

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