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【自分に合う歯ブラシはどれ?】最適な歯ブラシの選び方

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この記事は一般の方向けに書かれた記事です。

 

注意

このブログの内容は客観的事実に基づき執筆しておりますが、特定の医療行為、手技、手法を推奨するものではありません。

残念ながら医療行為に100%の成功はあり得ません。時に患者様の不利益に繋がることもあります。しかしその可能性を極力低くするための努力はできます。

論文などからの知識のアップデート、長期経過からのフィードバックを得て、患者利益の最大化に努めるべきです。その一助としてこのサイトを活用していただければと思います。

なお、全ての臨床写真は患者様の掲載許可をいただいた上で掲載を行なっております。

 

 

 

✔︎ 本記事の信頼性

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今日は、毎日の口腔ケアに必須のアイテム【歯ブラシ】の選び方について説明していきたいと思います。

 

ドラッグストアや、家電量販店でも数多く取り扱われており、どんなものが自分に合っているか迷われている方も多いのではないでしょうか?

 

初めて歯科医院に来院された方は、本格的な治療を始める前にまず歯磨き指導からスタートします。何かトラブルを抱えて来院される方は、歯磨きの習慣がない、もしくは歯磨きがうまくできていない。というところに原因があることが多いです。

 

正しい使い方をしないと汚れが残ってしまったり、歯茎が下がってしまったり、それに伴って知覚過敏の原因になったりします。

 

具体的な磨き方までは言及できませんが、色んな特徴を持つ歯ブラシがあるので、今回の記事を読んでいただき、自分に合う歯ブラシを選んでいただければと思います。

 

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【手用か電動か】それぞれの特徴

歯ブラシの種類を大きく2つに分けると、手用と電動に分けられるかと思います。さらにそれぞれに特徴がありますので、その内容を見ていきましょう。

 

手用ブラシ

手用ブラシの構造はヘッドネックハンドルに分けられます。それぞれの構造を見ていきます。

 

 

【ヘッド部】毛先の種類、毛質

汚れを直接落とす部分であり、ここの構造が最も多種多様な特徴持っていて、各メーカーが創意工夫を凝らしています。

 

ヘッド部はブラシが植毛されており、大きく分けて毛並みが揃ったラウンド毛先細になっているテーパード毛の2種類があります。

 

ラウンド毛:歯の表面の汚れを効率的に落とします。歯間の磨き残しをしやすい傾向があります。

 

テーパード毛:歯の細部の汚れを効率的に落とします。毛先がしなり、歯に接する面積が広いことから知覚過敏を発症しやすいため力が強い人、歯肉退縮を起こしている人には不向きと言われています。ラウンド毛と同じ普通の硬さを使っていても柔らかく感じることがあります。

 

現在では、このどちらかのみ、というわけではなく、両方を交互に組み合わせたようなハイブリッド型のものも販売されています。

 

毛質は市販のものはほとんどがナイロンでできています。ナイロンは水分の吸収→乾燥を繰り返すために、ブラシが変形していきますが、歯科医院専売品のものにはナイロン以外のブラシで水を吸収しにくく変形しにくいものもあります。

 

変形しないからといって、ずっと同じものを使い続けていいというわけではなく、細菌の繁殖などの観点から、定期的な交換は必須となります。植毛されている根本の部分をよく観察してみてください。結構汚れてくるものです。

 

 

【ヘッド部】植毛の横の数、縦の並び方

毛先の構造の他に、その植毛の数や、並び方などにも特徴があります。まずはその数から見ていきます。

 

歯ブラシの横方向の列の数によって以下の通りに分けられます。

 

二列毛:小児用に多くみられるタイプになります。細部に届きやすいため歯列矯正をしている人や、歯の並びが不揃いな人にもおすすめです。細部の汚れを落とすことができる反面、広い面の汚れを落とす事には不向きなため三列毛等の他のブラシと併用するのがおすすめとなります。

 

三列毛:最も一般的なサイズ。歯面の汚れを効率的に落とすことが出来ます。

 

四列毛以上:歯面の汚れをすばやく落とすことができますが、細部に汚れが残りやすいと言われています。

 

さらに縦方向の毛先の並び方に関しては、先ほど挙げたように長さの異なるラウンド毛とテーパー毛を交互に植毛してある、ハイブリッド型のものがあったり、先端部分が山形になっていて、歯とはの間や、奥歯の後ろの部分を磨きやすい構造になっっているタイプのものもあります。

 

 

【ヘッド部】毛先の硬さ

磨き心地に大きく影響を及ぼす部分です。ガシガシ磨いて、磨いた感じになりますが、硬めの歯ブラシを選ばれている方は要注意です。

 

柔らかめ:力が強すぎるとすぐに広がってしまい、汚れ落ちが悪くなるため力のコントロールが必要ですが、歯茎や歯を傷つけずに磨くことができます。磨く力が強い人は物足りなさを感じるかもしれません。

 

普通:メーカーによってふつうの硬さが異なるため一概には言えないのですが、普通の中でも毛質が硬めのものがあるため、磨き過ぎによる知覚過敏や歯肉退縮に注意が必要になります。

 

硬め: 歯茎と歯に対するデメリットが大きいです。磨き過ぎにより歯茎に傷がついてしまったり知覚過敏や歯肉退縮、歯の摩耗を引き起こす可能性がります。さらにデメリットとして細部の汚れに毛先が行き届きにくいです。

 

ちなみにJIS規格により歯ブラシの毛の硬さは決められています。よって、食品の栄養成分標示のような、パッケージの裏面に書かれているのは、JIS規格による基準で毛先の硬さの表記がなされてます。しかし、毛の長さが長いと、使用感は柔らかくなったりするため、使用感に差が出てくることもあります。

 

以上のことから、歯ブラシの硬さは柔らかめ〜普通を選ぶようにしましょう。

 

ネック・ハンドル

口腔内に挿入しやすいウェーブがかかった物や真っ直ぐなもの、お湯で形を変えられるものなどがあります。海外製のものでよくみられるタイプです。

 

日本製の歯ブラシは日本人の口の大きさに合わせて作られているため海外製の歯ブラシよりコンパクトなサイズになっています。

 

真っ直ぐなものと比較して、無理なく奥歯に届きやすいという特徴があったりします。

 

ハンドルの部分も各社色々な工夫がなされているのですが、把持しやすいようにラバーの滑り止めがついていたり、ハンドルが八角形になっていることで、ペングリップで持った時に、ブラッシングに適した角度で磨ける。という特徴のある歯ブラシもあります。

 

【電動ブラシ】ここにも出力によって、いろいろな種類があります。

続いて電動ブラシに入っていきます。またここにも色んな種類があって、その選択が非常に難しくなってきます。

 

【一般的な特徴】手用ブラシとの比較

ブラシ自体が電気の力で動いてくれるので歯の上にブラシを滑らせるだけで短時間で歯垢を除去できるというのが一番の特徴でしょう。

 

そのため、手用歯ブラシの細かい操作が困難な方や、障害のある方、高齢の方にもおすすめです。手用ブラシのような上下左右に動かす動作が不要で使用法も簡単です。

 

しかしその一方で電源があるため、手用ブラシより重さがあるため把持できなければその使用は難しくなります。

 

【電動ブラシの種類】電動ブラシ、音波ブラシ、超音波ブラシ

単に電動ブラシと言っても、その出力方式の違いで電動ブラシ音波ブラシ、超音波ブラシに分けられます。

 

電動ブラシ: ストローク数が毎分2000~10000回のものを指します。充電式と乾電池式があり価格も様々で、比較的安価に手に入り、振動数が超音波ブラシ、音波ブラシに比べて少ないですが、パワーがあるため手用ブラシのような動きは必要ありません。

 

音波ブラシ:毎分約30000回の振動により歯垢を破壊します。 比較的高価になります。ブラシ自体の振動数、振動幅がパワフルで歯の表面に滑らせるだけで汚れを落とすことができます。

ブラシの振動により唾液の水流と泡ができ、その作用によっても汚れを洗い流すことが出来るタイプのものもあります。また歯周病原菌の線毛を破壊し、細菌の構造にダメージを与えます。歯茎の炎症軽減や細胞増殖を活性化する働きもあります。

アタッチメントの動きとして、ブラシのヘッドが上下左右に動くものだったり回転するものがあります。

大手メーカーがこぞって新商品を出しているのはこのジャンルに属します。

 

超音波ブラシ:超音波と手の動きによって歯垢を除去します。超音波の力で歯と歯垢の結合力を弱めたり、口内炎の治癒にも効果的で直接細菌に影響を与えます。しかし、振動幅は小さいため手用ブラシと同じ動きが必要になります。注意が必要なのは、心臓にペースメーカーや除細動器と使用している方には使用できません。

電動ブラシは安価なものから高価なものなであるが、電動と表記してあってもパワーが弱く汚れ落ちが悪いものやヘッドが個人の口腔に合っていないもあるので歯科衛生士に相談するのが良い。

 

【歯ブラシだけでは不十分。でもフロスは意味がない?】その他の補助的清掃器具

どれだけ歯ブラシだけできれいに磨けていても30%の汚れが口腔内には存在すると言われているため、補助的清掃器具が必要になってきます。

 

代表的なところではデンタルフロスがありますが、実は、論文的に、”齲蝕の発生率を抑える効果があった”という結果は出ていません

 

これはフロスの使用法に起因するもので、これもまた、適切な使用法で使わないと所望の効果を得ることはできません。

 

適切な使用法で使われた場合には効果があるとする論文がほとんどですので、適切なフロスの仕方を学び、実践するようにしてください。

 

 

【結局何を選べばいいの?】あの人に相談しよう!!

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今回紹介させてもらった通り、歯ブラシ一つとっても本当に色んな種類があり、その選択を個人で行うにはかなり難しいものがあります。

 

一般的な歯ブラシの特徴を挙げさせてもらいましたが、実際のところ、全員におすすめできる歯ブラシというものはありません。

 

患者さんによって必要とされる歯ブラシの特徴は異なるためです。

 

では、自分はどんな歯ブラシを使えばいいのか?歯科医師の僕なんかよりもその人にあった歯ブラシをおすすめしてくれる存在がいます。それは歯科衛生士さんです。

 

予防のプロフェッショナルとして活躍されている歯科衛生士のみなさんは、豊富な知識と経験から、その人の特徴にあった歯ブラシを勧めてくれます。

 

最後は自分でそのおすすめされたものの中から実際に色々と使用してみて、気に入ったものを使用していただければいいと思います。

 

本当に大事なことは何を使うかではなく、毎日正しい道具で、正しく磨くということです。

 

一方、特に虫歯がたくさんあるとか、歯周病の進行が激しいという人でない場合、基本的な特徴さえ抑えていれば、可愛いとか、かっこいいとか、そんな理由で使う歯ブラシを決めちゃってもいいと個人的には思っています。(ちなみにエビデンスベースで、歯ブラシの構造で齲蝕や歯周病の罹患率に有意差が出たという論文はありません。)

 

今回の論文である程度の下知識を得てもらい、その上で担当の歯科衛生士さんと相談して、自分にぴったりの歯ブラシを見つけてみてください。

 

今日も最後までお読みいただきありがとうございます。

 

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  • この記事を書いた人

Dr.H

岩手県花巻市の成田歯科医院で歯科医師をしてます。論文をベースに臨床に役立つ情報を紹介するブログ。一般の患者さんの悩みに答えられるような内容もあげていきます。もしこんな話題を扱って欲しいなどの要望があれば問い合わせよりご連絡ください。

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