『なんか口が臭いかも。。。』何かと気にすることも多い口臭。長いマスク生活の中でなんとなく大丈夫かなと不安に思う方も多いはず。
今回は口臭について深掘りしていこうと思います。
【口が臭いのは自分だけ?】口臭を気にしている人はどれくらいいるのか
臭いに関することって、なかなか人には聞けないし、自分で確認しようにもなかなかできないですよね。
自分の口臭に悩んでいる方はどれくらいいるのでしょうか?
以下は平成28年度に厚生省が行った歯科疾患実態調査の結果です。

厚生労働省HPより転載 https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/62-28.html
この結果はあくまでアンケートを取った本人の主観で判断していますが、20代後半から徐々に増え始め、ピークは55〜64歳の14.7%となっています。
全体平均で見ると9.6%となり、約一割の方が気にしているということになりますね。
なかなか海外論文でも出てこないのですが、中国の研究では客観的評価で27.5%の有病率とし、
クウェートの自己申告による有病率は23.3%と、比較的多くの人が口臭に対して自覚がある、もしくは気になっているということが言えそうです。
直接比較はできないんですが、日本人の結果は比較的少なく出ていています。
実際に口臭を持つ方が少ないとも言えるかもしれないし、自覚が足りないだけ。とも言えるかもしれません。
自覚なく周りに口臭を感じさせてしまっていたら嫌なので、この機会に口臭についてきちんと理解し、適切なケアをしていきましょう!
【口臭の分類】仮性口臭は意外と多い
口臭の分類方法としては、主たるものとして、国際分類というものがあります。
この分類においては①真性口臭、②仮性口臭、③口臭恐怖症の3つに分類されます。
数値として明確に反映されるのは①真性口臭のみで、それ以外は患者さんの思い込みによるものになります。
以下に細かく分類してありますが、その原因の90%は口腔内にあるとされています。
データを得ることはできなかったのですが、実際に診療にあたっていると明らかな口臭がないのに、口臭を持っていると感じている方が多いと感じます。
それでは実際に口臭が生じている①真性口臭を詳しくみていきます。
【生理的口臭】口臭は誰にでも起こり得るもの
基本的に誰にでも生じるものとして分類されるのがこの生理的口臭になります。
その原因をさらに詳しく以下にまとめてみました。
なので、朝起きた時の不快な感じとか、ニンニクを食べた時の口臭などは一時的に起こって仕方のないもので、病的なものではありません。
また思春期や、妊娠時など、一時的に生じる口臭もあります。
【病的口臭】主原因は歯周病、その他口臭を生じる全身疾患について
この病態は口腔由来のものと、全身疾患由来のものに大別され、口腔由来の原因の多くは歯周病になります。
歯周病に対するケアを行なった上でも口臭が治らない場合、全身疾患の影響を疑うことになります。
口臭を生じる可能性がある全身疾患は以下の通り。
以上の通り、全身疾患由来のものは、その多くが口に近い耳鼻咽喉科領域のものになります。
分類がわかったところでその治療法についてみていきましょう。
【口臭の治療法】まずはお口のケアから始めよう
先程の国際分類の表中のTNというものが治療方法になります。
口臭の分類の全てにTN-1というものが入っており、これは口腔内ケアをするということになります。
よって治療という意味では第一に、口腔内を清潔にするためのセルフケアとプロフェッショナルケアを両立する。ということです。
また、全身疾患が原因で口臭が生じている可能性がある場合にはその疾患の専門医を紹介するという形になります。
【そもそもなぜ口が臭くなるのか】”乳頭”に汚れが溜まりやすい
原因の90%が口腔内にあるというのは前述の通りです。
口腔内が原因の口臭の原因物質として考えられているものは、硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイドの3つです。
その主要な発生部位は舌であり、その中でも後部2/3に汚れが非常に溜まりやすいです。
舌は以下のような構造で、その表面は表面積を増やすために複雑な凹凸構造をとっています。
この凹凸を乳頭と言い、機能としては味を感じるための器官になります。
よって舌をきれいにすることは口臭だけでなく、味覚異常の予防にも効果があります。
この隙間に食渣や、脱落した細胞、白血球、 微生物が大量に保持、増殖することで舌苔となり、口臭の原因となっていきます。
ではその舌苔の除去方法ついてみていきます。
【自分でできる口臭対策】まずはこの2つから始めよう
前述の通り、口臭予防のためにはセルフケアとプロフェッショナルケアの両立が重要になってきます。
ここでは自分でできるセルフケアについてみていきましょう。
【舌ブラシ】歯ブラシよりも効率的
歯ブラシでそのまま舌を磨くのも有効な手段ですが、より舌の汚れを落とすことに特化し、効率的に汚れを落とすことができるのが舌ブラシです。
タイプ別に分けるとブラシタイプ、ヘラタイプ、ヘラタイプ(ステンレス)、U字型スクレーパータイプの4種類があります。
清掃性、携帯性、操作性などの観点から、おすすめはブラシタイプになります。
しかしながら、ブラシタイプは強く磨きすぎたり、やりすぎたりすると舌を傷つけることもあるので注意が必要です。
では具体的におすすめ商品をみていきましょう。
歯科器材で有名なGCから出ているブラシタイプの舌ブラシになります。
ブラシの毛先が通常の歯ブラシよりも細くなっており、凹凸の細かい部分まで清掃することが可能です。
またブラシの配列も歯ブラシのように真っ直ぐではなく、アーチ状に配列され、その幅が大きくとられているので、効率的な除去が可能になります。
この商品の特徴はブラシとゴムのハイブリッド設計になっており、こちらも効率的な除去が可能です。
付属のジェルには研磨剤が配合されておらず、舌苔の除去に有効な成分が含まれているので、舌に優しくきれいにすることが可能です。
【マウスウォッシュ】洗口液と液体歯磨きの2種類がある。
舌の清潔さも非常に重要ですが、口腔内全体の細菌量を減らすことも口臭予防にとって重要なことになります。
ここではマウスウォッシュと表記していますが、洗口液とマウスウォッシュは別物です。詳しくは以下の記事をご覧ください。
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【歯科医師が解説】商品レビュー:Aesop Mouthwash 洗口液の復習も!
続きを見る
パッケージの成分表示のところを見ると、洗口液の表示と、液体歯磨の表示の2種類があります。
口臭の予防を目的とする場合には洗口液(=マウスウォッシュ)を用いるようにしましょう。
臭いの原因を取り除くのはもちろん重要ですが、マウスウォッシュ自体の香りでさらにマスキングすることができます。
使用する頻度にもよりますが、個人的にはアルコール含有のものは刺激が強く、使用後の乾燥感が気になるので、アルコールフリーのものが好みです。
以下の商品をおすすめとしてあげておきます。
マウスウォッシュの定番、リステリンのノンアルコールタイプの商品です。
ノンアルコールで刺激が少なく、好みは分かれるかもしれませんが強めのミントの香りです。
洗口液でありながら歯垢の沈着予防や、歯肉炎の予防にも効果があるとされています。
続いてサンスターGUMシリーズのマウスウォッシュになります。
調べる限り唯一、アルコールフリーで、界面活性剤も不使用ということで、特に毎日頻繁に使いたいという方におすすめです。
多くの洗口液に用いられる塩化セチルピリジニウム(CPC)が高い殺菌力で、翌朝の口のねばつきなどを防止してくれます。
【まとめ】口臭ケアは健康寿命の延伸にもつながる
ここまで口臭の原因、その解消法などを紹介してきました。
データで得られるより気にしている方が多いと感じる口臭。少しでも皆様の不安の解消に繋がったでしょうか。
歯科と口臭は非常に密接な関係にあるので、少しでも気になる方はまず口腔内ケアを始めるところからスタートしましょう。
口臭を予防することは歯周病の予防と同義と考えられますし、そのほかの虫歯に対しても予防効果を発揮します。いいことづくしですね。
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今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
ココナラでも相談を受け付けておりますので、もしよろしければご利用ください。