歯科医療従事者向け セラミック修復 審美修復

【審美歯科】歯肉縁下形成はどこまでやっていいの?【生物学的幅径】

 

前歯部の審美補綴治療を行う際、多くの場合でマージンの位置を歯肉縁下に設定しなくてはいけません。

 

その際にどこまで形成を行なっていいものか。正しく理解しているでしょうか。

 

適切な形成を行うためには、歯周組織の構造を理解しなくてはなりません。

 

data-ad-client="ca-pub-5050202466492889" data-ad-slot="5981786278" data-ad-format="auto" data-full-width-responsive="true">

【生物学的幅径には個人差がある】Gargiuloの論文

例えば以下のような誰もが知っている書籍内においても、

天然歯周囲における生物学的幅径は、平均2.04mmとされており、そのうち結合組織性付着が平均1.07mm、上皮性付着が平均
0.97mm といわれている。

拡大写真で見る ペリオとインプラントのための審美形成外科, クインテッセンス出版, 2014

なので、歯肉溝(1mm) +上皮性付着(1mm)+結合組織性付着(1mm)=3mm

 

みたいに覚えている人も多いかと思います。

 

ただこれって、あくまで平均値であって、個人差がかなりあるよねってことがわかってます。

 

なので今ある論文から、どこまで形成を進めていっていいものか考察したいと思います。

 

Dimensions and Relations of the Dentogingival Junction in Humans, ANTHONY W. GARGIULO, JOP Volume32 issue3 July 1961 261-267

 

多くの教科書や参考書で用いられている生物学的幅径はこの論文から来ています。

 

Gargiuloの上司のDr.Orban(オルバンメスなどで聞いたことがあると思う)が定義した正常な歯周組織と萌出の程度から4つの状態に分類し、それぞれの数値がどうなっているかを調べました。

Gargiulo JOP

30個の顎(年齢19~50歳)から計287本の歯の325面を解剖をして測定されました。

 

結果は以下の通り。

 

表Ⅵの上皮性の付着と、表Ⅹの結合組織性付着に注目してほしい。

上記の結果より、結合組織性付着は約1mmで、どのフェーズにおいても不変であるのに対し、

 

上皮性付着に関してはフェーズによってその値が大きく異なっています

 

あくまでこの生物学的幅径は平均値でしかない。

 

上記の図が、今回の調査結果のまとめっていう形で出てるんだけど、これはあくまで平均値であって、

 

生物学的幅径っていうのは個人差があるということを忘れてはいけません。

 

【歯肉縁下形成】どこまで攻めるか。

 

前述の通り、生物学的幅径には個人差があって、その中でも、上皮性付着の部分が個人差が大きいということがわかりました。

 

これは他の論文でも示されていて、結合組織性付着は比較的個人差が少ないとされています。

 

ばらつきは大きいものの、他のパラメータと比較すると、ばらつきが少ないとされている。 The Dimensions of the Human Dentogingivai Junction James S. Vacek, IntJ Periodont Rest Dent 1994;14:155-ló5.

 

【ボーンサウンディングをしよう】DENTOGINGIVAL COMPLEX (DGC)

Koisらは、1994年の論文で、DENTOGINGIVAL COMPLEX (DGC) という概念を提唱し、これを正確に把握するために、

 

ボーンサウンディングしようよ!ということを提案しました。

 

浸麻下で、プローブなどを骨頂に向かってぶち込むやつですね。

 

そしてここからは僕なりの解釈になるんですが、形成していいエリアは以下のように考えています。

 

個人的な考えに基づく、形成可能なエリアの考え方

 

まず上皮性の付着の範囲であれば形成していいということはみなさんご存知かと思います。

 

形成可能なエリアは結合組織性付着は、約1mmであることから、ボーンサウンディングで得られた値から1mm引いた値が、上皮性の付着の範囲というふうに考えられます。

 

よってこのエリアの範囲内で形成を行うようにしています。

 

【他の方法はないの?】もう一つの有効な手段

 

もう一つの方法は、結論から言うと、圧排糸が入る範囲での形成です。

 

上皮性の付着は結合組織性付着と比較すると、その結合の強さが弱いと言うことが挙げられます。

 

プロービングのような圧で圧排糸の挿入を行えば、基本的に上皮性の付着の範囲内でとどまります。

 

しかし、この圧排糸を入れる圧と言うのが非常にテクニックセンシティブな部分があると思っているので、個人的にはボーンサウンディングを行なった方がより確実であると考えています。

 

data-ad-client="ca-pub-5050202466492889" data-ad-slot="5981786278" data-ad-format="auto" data-full-width-responsive="true">

【実際の症例】

綺麗ですよね。

 

 

この乳頭がいいですよね。

 

これも乳頭がいいですよね。

 

 

【まとめ】長期経過が重要です。。。

一応論文的に考察した結果、先ほどの計算のもとに形成をおこなっています。

 

審美症例の成功の可否は長期経過でそのマージンが安定するかどうかになってきます。

 

今後も注意深く経過を追っていかないといけないですね。

 

今日もお付き合いありがとうございました。

 

ココナラで症例相談も受け付けてます!!

 

 

  • この記事を書いた人

Dr.H

論文をベースに臨床に役立つ情報を紹介するブログ。一般の患者さんの悩みに答えられるような内容もあげていきます。もしこんな話題を扱って欲しいなどの要望があれば問い合わせよりご連絡ください。

-歯科医療従事者向け, セラミック修復, 審美修復

Copyright ©︎ Paper Reading All Rights Reserved.