この記事は若手歯科医師に向けて書かれた記事です。
注意
このブログの内容は客観的事実に基づき執筆しておりますが、特定の医療行為、手技、手法を推奨するものではありません。
残念ながら医療行為に100%の成功はあり得ません。時に患者様の不利益に繋がることもあります。しかしその可能性を極力低くするための努力はできます。
論文などからの知識のアップデート、長期経過からのフィードバックを得て、患者利益の最大化に努めるべきです。その一助としてこのサイトを活用していただければと思います。
なお、全ての臨床写真は患者様の掲載許可をいただいた上で掲載を行なっております。
✔︎ 本記事の信頼性
【これだけは絶対に読んでおこう!!】おすすめベスト3
GPの若手歯科医師が日常臨床に慣れてきた後に、チャレンジすべき領域は歯周外科かと思います。
前回に引き続き、今回は歯周外科編ということで、3冊の本を紹介させていただきます。
歯内療法編はこちらから
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【若手歯科医師におすすめ参考書】歯内療法編
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インプラント編はこちらから
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【若手歯科医師におすすめ参考書】インプラント編
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イラストで見る 天然歯のための審美形成外科:Giovanni Zucchelli著 クインテッセンス出版
根面被覆の論文では必ず参考文献に出てくるズッケリですが、そういったリファレンス論文の内容も網羅しているので、英語を読むのが苦手な方でも、この本の該当する部分を見るだけでかなりの勉強になると思います。
人前で話す際にリファレンスを引っ張ってくる上で、この本から孫引きして論文検索するっていう使い方をよくしています。
歯周形成外科に関する論文を数多く読んできたと思っていますが、歯周形成外科において、その写真で何を伝えたいかというメッセージ性を持った写真の撮り方は、非常に参考になります。
特筆すべきはそのオペ中の写真もそうなのですが、要所要所でイラストによる解説がなされていることです。イラストでの解説が入ることで、臨床写真のみの場合よりも理解が深まります。
拡大写真で見る ペリオとインプラントのための審美形成外科: Otto Zuhr, Marc Hurzeler著 クインテッセンス出版
ピンク本として有名なこの本ですが、原書は2012年発行と少し昔のものになります。
2012年からマイクロでのオペをしており、そのマイクロで撮影された美しいオペの数々の詳細は本当に参考になります。
本当に数多くの臨床写真が掲載されており、読み物というよりも見て学ぶ書籍です。
病因論なども詳細に述べられており、その点でも非常に勉強になりました。ただ、880ページもあり、一気に読み進めるのは骨が折れるので、要所要所で必要な部分を確認するという使い方をしています。
3Dイラストで見るペリオドンタルプラスティックサージェリー 天然歯編:中田 光太郎著 クインテッセンス出版
こちらも先程のズッケリのものと同様、詳細なイラストとともにその手技の詳細が記載されています。
実際に購入したのはこの一個古いものになるのですが、イラストが全く違っており、立体的に描かれているので、初学者であっても非常に理解しやすいです。
前述の2冊とは異なり、著者が日本人なので、文章も理解しやすい部分もあると思います。ページ数も圧倒的に少なく、内容がギュッとなっており、すぐに全て読めると思います。
切開、剥離、縫合など、手術の本当に基本的なところから、切除、根面被覆、歯槽堤増大など、天然歯の歯周外科に関して非常に幅広くカバーしています。
【番外編】その他のおすすめ参考書
新しい本だと写真が綺麗で、とても読みやすいので、新しく出版されたものを中心にご紹介します。
新時代の歯周外科:佐藤琢也著 クインテッセンス出版 2020
→やっぱり写真が綺麗です。イラストでの紹介もあり、大変わかりやすい内容になってます。縫合のところとか。コラム的なのはあんまり好きじゃ無いです。
このシチュエーションにこの切開 Flap Design Album: 松川敏久, 北川雄治, 井上謙著 インターアクション 2021
→初めてオペに臨む際にどんな切開線でやれば良いんだろうっていうのが、一番最初に悩む部分だと思います。歯肉の厚みや、骨欠損形態など、色んな要因があるので、一概にこうなるとは言えない部分もあるんですが、こういう時にこう考える。なのでこういう切開線なる。っていう思考回路を形成するために、非常に役立つ一冊かと思います。
歯周外科をやるにあたって
気付いたらどれもイラストとか、写真とかがすごいです!ってタイトルのものばかりになってました。
やっぱりそのイメージを掴むためにもイラストや写真は重要ですね。
下記の記事でも言及していますが、歯周外科は自分の技術に合わせ慎重にステップアップすべきで、APFをやったことの無いような人がいきなりCTGなんてもっての他です。
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【歯周外科のラーニングステージ】自分のスキルをどうやって上げていくか
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今回紹介させてもらった3つは割とアドバンスな内容になっているかもしれませんが、歯周形成外科を行っていく上で一度は目を通しておきたい書籍になります。
歯周外科を学んでいくことは、自分のできる処置を大幅に広げてくれるものなので、ぜひこれらを参考に技術の向上に努めてください。
この記事が若手歯科医師の役に立ってくれることを願っています。
今日も最後までお読みいただきありがとうございます。